百姓日誌

福津農園 Day39 豊橋有機農業の会 朝市 その7

福津農園 Day39 豊橋有機農業の会 朝市 その7

4月29日(金)くもりのち雨

今日は久々の朝市の日。祝日の今日はどんな人の流れができるのかな?と思いながら豊橋まで車を走らせる。

会場のスーパーに先に到着して、すぐに政満さんも到着。コンテナを下ろすと相変わらずお客さん達は一気に押し寄せる。畑の作物に集まってくる様々な生物達と一緒で美味しいものには目がないのは人間も一緒で、今日のコンテナには何が入っているのかとあっちへこっちへと覗き込むのに忙しそうだ。

各々に持参した素敵なかごや、バック、スーパーの袋に欲しい物を詰めて会計をする自分たちのところへ持ってきてくる。それを見て「これはいくらでしたっけ?」なんて値段を把握してないものはお客さんに聞きながら、「これはどうやって食べるの?」なんて質問に答えたり、また逆に教えられたり、そんなやり取りをしながら次々と持ってきたものがなくなっていく。

山菜がなくなってきてちょっとづつ野菜の数が増えてきた今日のラインナップ。

今日は子供連れで買い物に来られている方が多かった。お母さんと一緒に来た、ノースリーブのワンピースを着たちっちゃな女の子が「今日のハワイは暖かいから、これでいいの♪」なんて言って、ちょっと今日は肌寒いぞと思いながらも、ほっこりした気持ちになった。ハワイの気分なのか見様見真似のフラダンスをその場で披露していて、自分も一緒に踊ったりした。途中で「手はこう!足は動かさないの!」なんて、可愛らしい先生の指導を受けたりして子供の無邪気さには本当に癒やされる。

最後は持ってきたものがほとんど完売。政満さんはこのあと配達へ。「配達先のお客さんにほとんど残らなかったね」と言っていた。卵はいつも配達用に1コンテナ残していて野菜も残っていれば一緒にいかがですかと持っていっている。

もしかしたら、なくなるくらいの量がちょうど良いのかもしれない。経済を優先すると必然的にたくさん作って売り先を探して、たくさん売らなきゃいけない。作物の単価が高ければそうでないのかもしれないが、自分も含めてお客さんというのは気まぐれだと思う。今日はあれが食べたい、明日はあれにしようかな、でも実際買い物にいってやっぱりこれにしよう。そんな人はどのくらいいるのだろうか。

たくさん作って市場に流れ、店頭に並び、買われるもの売れ残るもの、残ったものはそれが作られた畑に戻ればエネルギーの収支はプラスマイナスゼロ、いやそれだけではマイナスになるだけか。

たくさん作ることは、それだけでたくさんのエネルギーを必要とするし、それが遠くへ行けば行くほどエネルギーが使われていく。保存するのも然り。そうやって使われたエネルギーのコストが野菜の値段にはほとんど加味されていないように思う。

たしかに皆を飢えさせることはないかもしれないが、ちょっと考えただけでも大量にものを作るということには問題がある。

お金を稼ぐということに視点をもっていくことは一般的な農業の視点だと思うし、ほとんどの仕事がそうだと思う。お金を使ってものを買うという今の社会を生きていくためには「お金を稼ぐ」ということは必要なことだとは思う。

でも今の世界情勢やコロナ禍だけでも自身の生活にその影響をもろに感じる。お金をいくら稼いでも必要なものが手に入らない(海外から入ってこない)、欲しい物が手に入らないとなってくると、交換価値でしかないお金はなんの価値も持たなくなってしまう。

自分で生産できない人はどうなるのか?だれからも物を売ってもらえなくなってしまったら?とか考える。今はそういった不安をものすごく感じているというよりはここでの農業というものに生きていく力や、様々な問題を解決する手段としての可能性を感じている。

と書きながら、たくさん考えなきゃいけないことはあるな~とぼんやり思った金曜の午後。

昼から夜にかけて強い雨が降り出してきた。早めに農園に帰ってきて、とてもの眠くて車中泊仕様にした車内で昼寝をした。目が覚めて起きた時もまだ降り続けていた。

どんどん強まる雨に合わせてカエルの合唱の声も大きくなっていった。カエル達にとってはお祭り日和、大声ではしゃぎたくなる最高の日なんだよな~と思いながら夜も更けていく。

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

Kazuki

サルサLOVER→農業研修生→木こり見習い
赤石家のカズ
2022年3月から農業の研修を開始!
2023年4月木こり見習いになる。
福津農園での農業研修を終え次なる目的地へと旅立つ
実践の記録と日々感じたことや何かを綴る日誌。

-百姓日誌
-, ,