木こり日誌

新城キッコリーズ Day186 造材、林縁木、チルを引く人と伐る人との呼吸について

新城キッコリーズ Day186 造材、林縁木、チルを引く人と伐る人との呼吸について

1月25日(木)

午前中はグラップルを使ってホルツいきを積んで、その間に自分は田實さんが伐倒した木の枝払い、途中でシバケンの作業が終わって上に上がってきた。

ツインハーツさん用のタンコロを出しつつ、ゴミを捨てる場所を空けていった。そのあと何本か造材してお昼になった。

午後は田實さんと奥の方の細い区画の選木と伐倒。

今回は重機をもっていったりする時間もないので、切り捨てることになった。そして、森の一番外側にあたる林縁木が立ち並んでいるところで、山主さんから東海林材に頼んだけどほとんど変わらなかったということだった。

林縁木は枝打ちをせずに育てていくため枝張りがものすごく強い、そして森に強い風が入らないようにして、中の木が揺れて、筋が切れるのを防ぐ役割を果たしている。

それを全部切ってしまうと、風が吹き込んでしまう可能性がある。その場所では風がどっち方向から吹いているのか、吹いてくるのか、を考える必要もある。

林縁木を切るなら、そのそばにそのかわりになる植物はあるのか、切ることで新たに植物が芽を出してくれるのかを考える。

今回はちょうど中くらいの高さに植物があったので、大体一本おきくらいに選木して切る木を選んでいった。

田實さんが選木した木には倒す方向やなぜ切るのかの意味がある。またそうでなくても、それぞれに選木した人の考えがある。なんでこの木を選んだのか、なんであの木も切るのか、この木を切るためにあの木も切るのか、どうして選木したのかを自分なり考えを巡らせてみること。

伐倒したらまず、何をするのか、根たまを切るのか、チルのワイヤーを外すのか、今回は切り捨てていくから、ちょうどいい長さに刻んでいく、そして、作業している下には家屋があるので細かく刻まない、立木に引っかかるくらいの長さにしたり、落ちていかない程度の長さに伐っておく。枝も払っておく。

上方に伐倒する際は切だかをあげて、追口を入れる位置を高くして下に滑り落ちていかないようにする。

林縁木のような枝張りが強いものを切る際には、そうでなくても、伐倒方向の木のどの枝にかかりそうかをよく見る。腕にたとえて話をしてくれたけれど、肘より肩に近い方に当たるとなかなか倒れてくれない、でも肘より先の部分の当たるとしなってうまく抜けてくれる可能性がある。

あとはチルを引く方向と受け口の向きも考慮する。枝の位置、チルの位置を考えて大体の伐倒方向を決める。枝の強さ、チルを引くタイミングなども考慮して最終的な受け口の向きを決める。

伐倒方向は様々な要素の組み合わせできまる。

隣に木があって、切ろうとしている木がすこし下方に傾いている。チルを引きながら、枝張りの強い枝を上手く押して、隣の木を超えたあたりでチルを緩めて上げると次回倒そうとする方向に上手く倒れる。かもしれない。

もしくは隣の木を超えたあたりで、左のつるを少しだけ伐ってあげることで、少し山手にむかって倒れていっていた木をあの空いたスペースに倒し込むことができるかもしれない。

切る方も、チルを引く方も呼吸を合わせて作業する。百戦錬磨の田實さんには遠く及ばないが一歩づつ一歩づつpoco a pocoですな。

ストレートにカーブにシンカーにと変化球も操れるようになればどんな木も思いのままに倒せるようになるんだろうな。実践を積んでいくしかない、修練することで身につけるのだ。

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Kazuki

サルサLOVER→農業研修生→木こり見習い
赤石家のカズ
2022年3月から農業の研修を開始!
2023年4月木こり見習いになる。
福津農園での農業研修を終え次なる目的地へと旅立つ
実践の記録と日々感じたことや何かを綴る日誌。

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