木こり日誌

新城キッコリーズ Day221 境界調査

新城キッコリーズ Day221 境界調査

3月28日(木)

午前中は境界調査。田實さんと一緒に山主さんそれぞれの土地の境界を調べる作業をした。

公図を片手に土地の境界を見つけていく。さながら探偵のような作業だ。境界を確定していくために地図の形と現地の土地の形状を見比べていく。沢の形はここに近い、そこに植えてある樹種、間伐したあとがここまであるからもしかしてここと、ここは持ち主が違うかもしれないとか、未確定要素がたくさんあるなかで仮にここだとしたらどうなんだろう?と考えていく。

未確定の情報をたくさん抱えながら、証拠を探していく。境木というものもあってその木には屋号が打ってあることもある。この山主さんはこまめに屋号を打っているから、他のところにも打ってあるはずだと、持ち主さんがどんな人なのかも見えてくる。

手元にある地図さえ正しいとは限らず、それすらも仮定の一つで現地と地図を見比べて答えを探していく、もしかしたら境かもしれないの連続。

この土地とこの土地を交換しない?なんてことは昔はざらに行われていて、書類上の持ち主と実際の持ち主が違うなんてことが起こっている。山の木を伐るにしてもまずは人探しから始まるなんてこともよくある。そう簡単には木は伐れないのだ。

自然の地形にそってココは私の、あそこはあなたの、あっちはどこそこの人の、なんてよく分けたもんだなとも思う。本屋さんに立ち寄った時に「所有権」という本があってまさにそんなことを考えさせてくる本なのかもな~なんてぼんやり思っている。

境界の探索とその土地にどんな木が植えてあるのか、何年生のスギ・ヒノキなのか、広葉樹なのか、そんな情報も拾い集めていく。

自然に倒れて枯れた松の木の枝は松明(たいまつ)として使える。

井代の森の尾根付近は広葉樹が生い茂っている。そんな木からドングリがコロコロと転がっていって少しずつ少しずつスギ・ヒノキの間に芽を出していく。周りに何もない、遮るものがない場所で育つ広葉樹は枝を好き勝手に伸ばしてグニャグニャと曲がって育つ。植物としては自然なかたちなんだけど、人間は使いづらい、というか使い方限定的になる。その点、スギ・ヒノキの間に芽を出して成長していくと比較的まっすぐに育つ、上空のわずかに空いた隙間から注ぐ太陽の光を求めて上へ上と伸びていく。

背の高い木、低い木、枯れた木、いろんな木があることでそれぞれを好む生物が住み着くようになる。枯れた木には虫が住み着き、それを求めて小鳥がやってきたりする。小鳥が糞をしたりしてまた違う植物が育ったりすることもあるかもしれない。

住処を多種多様に保つということで様々な生物が集まってくる。人間に置き換えて考えてみても面白いかもしれない。

午後はホルツへ丸太を運搬。

戻ってきて注文を受けていたスギの伐倒をしていった。

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Kazuki

サルサLOVER→農業研修生→木こり見習い
赤石家のカズ
2022年3月から農業の研修を開始!
2023年4月木こり見習いになる。
福津農園での農業研修を終え次なる目的地へと旅立つ
実践の記録と日々感じたことや何かを綴る日誌。

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