木こり日誌

新城キッコリーズ Day7 林業はパズル、強大な藤蔓に作業の手を止められて

新城キッコリーズ Day7 林業はパズル、強大な藤蔓に作業の手を止められて

4月11日(火)晴れ

昨日の昼から妻は大阪にピラティスの講習を受けに行っている。僕も明日から3日間のチェーンソーの講習が始まる。ってことで妻がいないのでいつもより早めに起きて自分で弁当作りをする。お弁当箱の隙間を埋めるべく毎日卵焼きが入る。有り難いことに高級卵を使わせて頂いてる。

さていざ卵焼きを作ろうと卵焼き用のフライパンを持つとペルーでだし巻き卵の特訓をさせられた(笑)記憶が思い出される。それこそあれも技を突き詰めるみたいなところで良い特訓になったなぁと今では思う。けれどあの時はなんでだし巻き卵?!しかも銅製のいっちゃん焼くのが難しいやつ、素人がそれからやっちゃあかんってやつだ。後々気づいていくのだけれど、銅のフライパンでだし巻き卵を焼くときにはひっくり返すたびに油をしっかりと塗らなかればならない。だし巻き卵だからシャビシャビしていてよけい焼きづらいのだ。

どうやったらふわふわで美味しいだし巻き卵が作れるのかを研究した日が懐かしい。ペルーで何研究してんだよ。

まぁやったことは必ずどこかで生きてくるというのが人生だ。お弁当作りにしっかりと生かされているし、仕事にももちろん生きてきている。と信じている。

お弁当を作って今日も早めに出発。朝の7:50ころは上の田んぼはほぼ日陰、下の田んぼには1/3くらい日が当たっていない。

来週は北側の木を伐る。日当たりには問題ない。風通しが悪くなるとウンカが溜まりやすいということだった。様々な条件があると思うけれど植物が育つためには風通しをよくして空気が滞らないようにすることも一つの条件だ。すべてのものには動きが必要だ。目に見えようが見えまいが、中だろうが外だろうが血液が身体を回り続けるように、呼吸が止まることがないように全てのものは動き続ける。出たり入ったり、入れたり出したり、生命の活動には循環し続けることが必要だ。美味しいお米を作るためにも新鮮な空気、水、太陽光、土中に戻され分解されて土となる草達、そこらここらで起こっている循環を止めてはいけない気がする。

昨日フェンスを直しきれなかったところを直し、8:00ちょっと過ぎ、上の田んぼの角っこには少しだけ日が当たり始めた。

今日もチルホールで木を引っ張りつつ伐っていく。

シバケンさんの伐った木の「受け口」と「追い口」を観察。木が倒れていく方向がこれで決まる。木の枝の付き具合や、曲がり具合、伐った木の断面を見ると芯が中心からずれたりしてるのもあるからは、そういう要素も加わって木の重心はそれぞれに違うんだろうな。人間も真っ直ぐ立つために背骨を歪ませて立っている。人間なら首から胸、背骨、尾骨へと美しいS字を描くことで負担なく直立できる。それでも人それぞれ筋肉の弱い部分などがあったりすると弱い部分を補ってバランスを取るように骨が歪んでいく。人間が重いものを持って前方に手をのばすとそれを支えようと背中の筋肉が働きだすのと一緒で、木もお日様を求めて伸ばした枝を支えようとどこかに負荷がかかるんじゃないのかと勝手に思っている。

午前中は巨大な藤蔓に絡みつ付かれた木がなかなか倒れず苦労した。3~4本くらいに絡みついていて、一本の木を伐って倒そうとしてもなかなか倒れない、巻き付いた蔓はあんなに重い木を手放さない。午前中は蔓に絡みつかれた木をどうするのかを考えてつつ終わった。

その他にも午前中は「間尺-けんじゃく」という作業をした。丸太の末口(木の細くなっている方の切り口)直径を測って数字を書く。

ポイント

  • 直径を測る時は、丸太の直径の一番短い部分を測る。
  • 1~14cmまでは1cm刻み、14cm以上は2cm刻みで計算する。

例えば23,8cmだとしたら、22cmという数字にして丸太に書いていく。

丸太は4mに切って山から出していくのが基本、その方が運搬しやすいからだ。太いのに2mに切ってしてしまうのが一番困ってしまうとのことだった。

直径18cm以上の丸太はHOLT三河という製材・流通をしている会社へ持っていく。

今日もたくさんの情報が頭に流れ込む、お昼ごはんを食べながら整理する。

午後は林内作業車を運転して木を運び下ろしたりしながら作業を進めていく。

切り株はレールになる。良いも悪いも使い方しだいだ。丸太を引っ張り出す時に切り株に沿って滑り落ちてくる。いつも木の動き、丸太の動きを予測していくことが必要だ。

あとは掛けたワイヤーロープで丸太を転がす方法も教えてもらった。林業の作業において面倒くさがって小さな作業をすっ飛ばすことは危険につながる。ここをこうすればスムーズにいくなと思ったことはやる。っていってもそれも経験しないと必要のない作業だったりもするのかもしれないけど。。。それでも面倒くさがらずやる。というのは教訓だ。

「林業の作業はパズルみたいなもの」

新城キッコリーズ タジーさん

遠くから眺めて確かにそうだな~と思った。作業していく手順を考えていく、どの隙間を狙って、どの木から伐っていくのか、どういう順番に出していくのか、今この木を切ったら、この枝を払ったら、他の木はこんな動きをして、こっちにあっちに動きそうだなと考えていく。答えは今目の前に広がっている現実から導き出される。

「言う易し行うは難し」実際の作業の経験をつむことでしかそれは導き出されない。手も足も自由になることで頭も働いてくる。サルサを踊っている時もそうだ。自分の足が動いて、手は相手をリードして、耳は音楽を聞いて、リズムを刻んで、曲がこうなっていきそうだからこんな技を展開していけばいいかな、相手は楽しんでくれているだろうか?気にするところはたくさんある。すべては一緒に踊る相手と楽しく一曲を踊りきりたいというところを目指して。

そんな風に考えると似たようなものだなとも思うから、技術を習得する。練習していくということの大事さはひしひしと感じる。それがあってこその目標を達成できるだろうし目的に近づくことができる。

まずできることをやっていくしかないのだ。にしても藤蔓に今日はやられた。でも藤蔓にしてみれば「なんでせっかく絡みついてんに倒すんだよ!」って怒ってそうだwそんな思いで倒れそうになる木を必死に倒すまいと抵抗していたのかもしれない。そう思うと可哀想だな。でもいたしかたない。

といったところで今日もお開き。帰ってきて、今日は妙子さんが出かける日ということで夕ご飯係をしてご飯を食べて寝る。

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Kazuki

サルサLOVER→農業研修生→木こり見習い
赤石家のカズ
2022年3月から農業の研修を開始!
2023年4月木こり見習いになる。
福津農園での農業研修を終え次なる目的地へと旅立つ
実践の記録と日々感じたことや何かを綴る日誌。

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