木こり日誌

新城キッコリーズ Day27 DA MONDE TRAILの準備、薪ザップ

新城キッコリーズ Day27 DA MONDE TRAILの準備、薪ザップ

5月8日(月)晴れ

昨日の夜は眠すぎて夕飯を頂かずにすぐに寝た。夜通し雨が降り続いていたみたいだけれど、そんな音では起こされることもなく朝までぐっすり寝た。身支度を整えて外に出るとゴーッと沢の水が流れる音が響いている。空には雲も残っているけれど青空が見えていて雨上がりの気持ちいい空気が漂っている。

今日は盆栽ベースで今週末に開催されるDA MONDE TRAILに出店するための準備をしていく。子供たちが丸太の輪切りを使って、絵を書いたり、遊べるものを作るための下準備とカケラプレート作りをしていく。「だもんで」とはこちらの方言(三河弁)で、津軽弁で言うところの「だはんで」と同じだ。だはんでそれだばなんだがわがんねべな、ということで、標準語でいうところの「それ〇〇だから」みたいな感じだろうか。まいいはんで仕事しよ。

その他にやることはたくさんある。木を使った新城キッコリーズだけが作れるものは何なのか?何かを見て真似するのではなくインスピレーションを得てそれをモノづくりに生かす。モノを作ることが専業ではないから、そこまで時間をかけられないけれど新城キッコリーズだけのストーリーが詰まった何かはできる。そのストーリーを知ることから始めなければならないのだけれどね。

と田實さんは忙しいのだけれど途中で顔を出してくれて、考えていることを色々と話してくれる。僕は物語の中盤から入ったキャラかもしれないけれど今考えていることを知ることはできる。そこにはこれまで考えてきたも含まれているだろう。自分ができることって何なんだろうな。

それぞれの仕事に戻り、僕はトラックのタイヤ交換へと向かった。タイヤ交換の間、時間があるだろうなと思って本を持っていって読書させてもらった。気になるワードはたくさんあるけれど、いくつかメモしておいた。

科学は現代における最大の宗教

田坂広志著「死は存在しない-最先端量子科学が示す新たな仮設」

科学は宗教を否定し続けるけれども、科学が宗教と同じような役割をしている。僕もサルサはある意味で宗教のようなものだと思っている。少数派ではあるけれど、人はそれぞれに実は「宗教」のようなものを信仰しているのだと思う。妻にこれを言うとよく怒られていたけれどピラティスも宗教みたいなものだよね?と、先生のレッスンを受けて、これをやると身体がよくなっていきますよ。とか、この機械を使うとさらに体の動きが改善されていきます。じゃやってみようかしらとなる。サルサも、この音楽を聞いてるとなんだか楽しくなるでしょ?こういうふうにステップを踏むだけで踊れるようになりますよ。週に一回ここに通うだけであんなふうになれます。文字だけで書くと怪しさ満点ではないか、〇〇宗や〇〇教と何が違うのだろうかと疑問に思う時がある。

良い悪いではなく、僕らはそれぞれに何かを信じている。というかそうで在りたいと願っているから、そうであったなら良いなと思っているから信じたいのか、あのスーパーがいい、あのブランドがいい等など、ちまたには「宗教」のようなものが溢れんばかりに存在している。僕らは何を信じているのか。

「分析」をすると「本質」が見えなくなる

田坂広志著「死は存在しない-最先端量子科学が示す新たな仮設」

これは小山田さんも言っていたけれど分解したり、切り離していけばいくほど、そのものの意味がわからなくなっていく。という話と同じだ。

ピザとは何なのか?ピザを知るためにピザを分解していくとする。サラミとチーズとトマトソースと玉ねぎと小麦粉で作った生地と、ピザトーストをイメージしてしまった。まぁそれはいいとして、ピザを分解してしまうとピザとは何なのかよけいに分からなくなってしまうのだ。ピザを知るためにそれぞれの要素に分解したのに分からなくなってしまった。更にそれぞれを分解していくとサラミは肉を腸詰めして乾燥させたものだ。だからといってピザは何なのかの答えから離れるばかり。

この本の中では「要素還元主義」と言っていて

「ある対象の性質を理解するためには、まず、その対象を小さな要素に『分解』し、次いで、それぞれの要素を詳細に『分析』し、最後、そこで得られた分析結果を『総合』すれば、その対象の性質がすべて解明できる」

田坂広志著「死は存在しない-最先端量子科学が示す新たな仮設」

これがこれまでの科学の考え方だったらしく、それでは限界をこえられない、それこそ「死」とはなんなのか?の問に答えられない。そこで注目されるようになってきたものが「複雑系科学」というものらしい。

「物事が複雑になっていくと、新たな性質を獲得するため、複雑な対象を要素還元主義的に分析し、その結果を総合しても、対象の性質を正しく理解することはできない」

田坂広志著「死は存在しない-最先端量子科学が示す新たな仮設」

という考えにたった科学ということだ。

人間も複雑な生き物だ。心や意識や精神、それぞれ同じようでいてなんとなく微妙に違う、そんな複雑な生き物が生きる世界はさらに複雑極まりない。それぞれを分解してみたところで、その一つのものが何なのかしか分からない、複雑に絡み合ったものを一緒に見つめながらその意味を理解していく、感じていくしかないのだろうか、その答えがこの本の先に書いてあるのか?

と車のタイヤ交換をしてもらっている間にちょろっと読みすすめ、お昼には盆栽ベースに戻りお昼ごはんを食べた。

そして午後は薪ザップの続きを開始。丸太を乗せる動きが少しだけ軽い、気がする。僕の身体は少しずつ鍛え上げられつつあるらしい。

それでも終わりが見えないのが薪ザップ、いや本家はちゃんと終わりが見えるように設定してくれてるはずだよね。いや見えるには見えるけれど、え~とあと1年くらいかかります?もしかして。と心はつぶやく。本家より厳しい。

仕事を終えて温泉につかって帰りましたとさ。おしまい。

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Kazuki

サルサLOVER→農業研修生→木こり見習い
赤石家のカズ
2022年3月から農業の研修を開始!
2023年4月木こり見習いになる。
福津農園での農業研修を終え次なる目的地へと旅立つ
実践の記録と日々感じたことや何かを綴る日誌。

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