KAZUKIの雑記 木こり日誌

新城キッコリーズ Day35 刈払機の研修へ

新城キッコリーズ Day35 刈払機の研修へ

5月18日(木)晴れ

今日は少し早起きして本を読み進めた。人類の遊動生活についての考察が面白かった。人類の定住生活というのは約1万年前に始まったばかりのことで、その前数百万年間は一箇所に定住することなく、大きな社会も作らず、人口密度も低いまま、環境を荒廃させることもなく生きてきたのだ。

本来は人類にとっては遊動生活の方が性にあっているということなんじゃないのか?そう考えると僕もある意味遊動的な生活をしている気がする。一箇所に留まれないというのは実は普通で一箇所に留まれることの方が異常なことかもしれない。異常は言い過ぎかもしれないけれど人類に何らかの苦痛を強いる。何かを追いかけて、日々の暮らしに一生懸命だったころは何かを気に病んでいる暇もなかっただろうし、今みたいに何かのために働くという概念もなかった。自分自身や家族がその日を生きるためにするべきことは決まっていた。形が変わって今は会社に行ってお金を稼いで生きるための食材や住まい、少しの余暇のために「お金」は消えていく。お金がないとそれらは本当に手に入らないものなのか。

お金がないと生きられない社会とは何なんだろう。と疑問を感じてしまう。この日誌を書くためにパソコンがあって、サーバーを契約して、ネットを契約して、電気を契約して、それらにお金を払って、契約ばかりしてるな。なんじゃそりゃと声が漏れる。不思議な世界に生きてる。労働者が働いてお金を稼いで、働いて生み出したサービスに労働者が消費者としてお金を払って、お金は見事に循環しているように思う。労働者は消費者であって消費者は労働者なのだとしたらお金が間に挟まらなくてもいいような気もしてくる。

今はありがたいことにお金のために働くという感じがないままに仕事をしている。自分的には仕事という感じではなく、キューバでダンスを習っていた時のような感覚に近い感じで山に行っている。今やりたいことに全力で関わっていく。やりたいことだからお金のことは脇において置けるのか、置いておける環境にいれるからか、その影でお金は動いていることも忘れてはならないことなんだけど、それすらも有り難く受け取って、受け取ることでどこかにそれは還元されていて、なんて勝手にポジティブにとらえている。自分勝手なやつだホントに。

受け取った何かは僕を通して、なにかに変わって出力されてだれかに受け取られる。それはみんなそうなんじゃないのか。そこにも循環というものがあって、溜め込むことは何らかの不調をきたす。滞らないように出していく、形をかえて受渡していくということが色んなところで必要なことというか、それが自然の摂理なのだろうか。出すことで知らず知らずのうちに何らかのカタチで受け取っている。こうして生きられているということは何かを受け取っているということの証でしかないんだろうな。

こうして、ココで暮らさせてもらえることには感謝しても感謝しきれない。ここで受け取り、また社会にいろんなものが還元されていく。今日は再び林業センターで研修がある。それも受け取ること、そしてそれはキッコリーズを通して社会に還元されていく。

午前中からひたすら座学が続く、安全に関することがほとんどで何をするにも命がないことには作業もできないから当然そうなんだ。しかし遊動生活者の人間にとって黙って座っているというのは耐え難い。「暇と退屈の倫理学」の中でパスカルの考えに触れている。

人間の不幸などというものは、どれも人間が部屋にじっとしていられないがために起こる。部屋でじっとしていればいいのに、そうできない。そのためにわざわざ自分で不幸を招いている-ブレーズ・パスカル

國分功一郎著「暇と退屈の倫理学」

人間はじっとしていられないものなのだ。じっとしているとありもしないことを考え始めたり、何かをしたくなってきたりする。不安になったりワクワクすることを考えたり、身体も脳もじっとしていられないらしい。座学は睡眠を誘発する。それも人間の運命か。いやただたんに僕が眠だけなんだ。

眠気に耐えながら午前中をやり過ごして、お昼ごはんの時間を迎えた。

午後は外で実技からスタート。今日は夏かと思うほどの暑さだ。研修室の椅子に座っていても薄っすらと汗をかくぐらいの温度で外にでると日差しも加わって真夏の暑さだ。やることといえば刈払機をもって姿勢の確認をすること、少し手入れの仕方を聞いて1時間くらいで終わった。

その後は再び部屋の中に戻って座学、途中少しだけ記憶を失っていたらしい。なんとか眠気に打ち勝って、いや本来の講習の目的が変わっている。眠気に打ち勝つことが目的じゃないだろうと自分にツッコミを入れながら講習を終えた。とにかく安全に刈払機を使いましょう。安全に作業するためには必要な装備を整えて作業すること、チェーンソーの講習でも同じ。まずは身の安全を守るところから。

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Kazuki

サルサLOVER→農業研修生→木こり見習い
赤石家のカズ
2022年3月から農業の研修を開始!
2023年4月木こり見習いになる。
福津農園での農業研修を終え次なる目的地へと旅立つ
実践の記録と日々感じたことや何かを綴る日誌。

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