KAZUKIの雑記 百姓日誌

福津農園 Day299 豊橋有機農業の会 朝市 その51

福津農園 Day299 豊橋有機農業の会 朝市 その51

3月3日(金)晴れ

生きるための土作り

何だかんだと詰まっていたやらなきゃいけないことリストの消化が昨日の朝ようやく終わった。福津農園での研修を終えてまた次へと一歩踏み出す。終わりは始まりであり、始まったものは終わる。ような気もするけれど、どうやらこの世界はそうはなっていないみたいだ。

この農園でみてきたようにすべては循環の輪の中にあって、自分達人間の目には終わったように見えるものも生きとし生けるものの中を流れ流れ、また気づいたら自分に戻ってきていたり、違う人や生物の一部となっていく。自分自身の肉体や心(魂、精神etc)の死は終わりのような気もするけれど、それは人の記憶や生物、地球の大気、大地、何かの一部となって生き続ける。

亡くなった人達は良きにつけ悪しきにつけ、次の世代が生きていく土壌を作っている。今を生きる自分達はその土壌がどういうものであれ、生きていかなければならない。生きることは自分の時間を生きることなんだけれど、同時に他の誰かが生きるための場所を作っていくことになる。植物たちがそうであるように、親の体すべてが、もしくは一部が他の生物に利用されながらその周辺の土は肥沃になっていく。そこに種を落とし、また子や孫は成長していく。

自分にとってサルサってなんだったんだろう?と考える時、自分の人生において最後まで好きであり続ける一つの趣味なんだと思った。踊りを踊ることや音楽を聞くことも好きだけれど、そこには踊るための相手、一緒に音楽を楽しむための人、パーティーをしてワイワイするための人が必要だ。一人でも楽しめるけれども、だれかとそういうことをするほうが格別に楽しい。

自分がサルサをやってきたことで、地元ではない弘前や青森、五所川原、仙台、函館、札幌…etc、色んな場所でサルサを好きになって踊らずにはいられない、という人達と繋がったり、サルサの世界に誘い込んでしまったりしてきた。自分の場合と同じように彼らにとってもサルサは生きるために欠かせない成分のようになってしまった。砂糖や塩、醤油、みりん、料理を料理たらしめる調味料はたくさんある。どれをどのくらいの量使うかで美味くもなるし不味くもなる。

人それぞれに自分に必要な成分は違うだろうけれど、自分が踊ることでその場所にサルサという調味料が少しずつ染み渡っていった。いつの間にかそこはサルサをする人達が生きやすい場所になっていた。

私のお墓の前で
泣かないでください
そこに私はいません
眠ってなんかいません
千の風に
千の風になって
あの大きな空を吹きわたっています

秋には光になって
畑にふりそそぐ
冬はダイヤのように
きらめく雪になる

・・・

作詞:新井満(訳詞)作曲:新井満 歌:秋川雅史 https://j-lyric.net/artist/a04ca67/l00997c.html

この歌詞ではないけれど、そこに自分はいなくてもサルサを栄養にした人達がまたサルサを作って、「このサルサって調味料は美味しわよ」と押し売りしていく(笑)。サルサはスペイン語で、日本語に訳すとソース(ソースは日本語かというツッコミもあるだろうけれど)、ソースは世界各国様々な味がたくさんある。

サルサを取り入れた人それぞれのアレンジの効いたサルサがどんどん生まれていく。そうして音楽、踊りとしてのサルサもまたそれぞれの味が生まれていくそんなものだと思っている。

そう考えていくとサルサもまた色んな人達、自分も含めて、生きるための場所をつくるためのものだったんだなと思えてきた。

すべての活動は生きるための場所を作っていく。どんな場所を作っていきたいか、みんなが笑顔で過ごせる場所なのか、悲しみ続ける場所を作っていきたいのか、通り過ぎていく居場所は自分の生き方一つでいくらでも変わっていく。

そんな夢を見ていたわけじゃない。今は日曜の朝、静かな朝はそんなことも考えたくなる。金曜日の日誌を書こうとパソコンに向かいキーボードを叩く自分の指がそんなことを打ち出していた。

帰る帰る詐欺の現行犯

そうだ、そんな居場所の一つ朝市へ行かねば!ということで金曜の日誌を進めよう。

今日は思いのほか風が強くて寒かった。屋根のかかっている駐車場とはいえ四方は壁ものなく、風がある日はビュービューと吹き込んでくる。外はあんなに晴れていてお日様にあたれたなら随分暖かいだろうにとそんなときばかりは屋根があることに文句の一つも言いたくなる。雨が降っていたら有り難いなと思って自分は身勝手なやつだと時々思う。

今日で研修生としては最後の朝市だ。朝市だよりを書いたことで、最後の朝市が近づくにつれて「もう少しで帰られるんでしょ?いつまで?」と聞かれて「次の朝市が最後です。」と青森へ帰るんですという話を色んな人にしていた。

今日「帰る帰る詐欺」を犯すとは知りもせず自分達はベラベラと3月の頭で終わりますと繰り返し話していたのだった。

赤目柳

つまりは青森に帰るのはまたしばらく先になってしまった。というだけなのだけれど、その決断が2月26日に行われたことで必然と詐欺行為になってしまった。研修が終わりに近づくにつれて次の展開を考え始めていた。帰ってもお金がないので、色んな所によりながら出稼ぎしながら帰ろうと妻とも話していた。そのなかで林業も勉強したくなってきたから、その仕事の傍ら研修なんかもしたいな、もしくは林業の会社に入って働くという手もあるよねと話していた。

そしたら、2月26日その日は突然やってきた。森の見学会、座談会があるではないか、行ってみよう、見てみよう、あ、この人の考え方好きだな、この人のところで仕事してみたい!とあれよあれよと自分の心はワクワクとドキドキが入り混じったあの感覚になっていく、そうだそんな時は動く時なんだと直感する。まぁたまに外れることもある(笑)。少しずつその舵取りもできるようになってきているとは思っているつもり。

そして妻にもそのことを伝えるとその事実に耐えられず2~3日沈んでいた。こんな自分に付いてくるのは辛いよなと思う。悪いなとは思うけれど、こうなってしまっては動かずにはいられない。その結果がどうなろうともすべては自分の責任、独りになろうとも自分の道を進んでしまおうとする痛いやつでもあるなと自分自身のことをそう思う。ほんとに身勝手なやつだと思う。

木こりのカズ

ということで4月から新城キッコリーズという会社で木こりになることにした。お金をためつつ山のことを知り、技術を磨いて、それをまた自分の地元でも生活やなんかに活かしていきたいと思っている。

そして、場面は再び朝市へ「4月から木こりをやるのでまた新城にいます(笑)」という話しをしながら、餞別を持ってきてくれた方々を次々と「帰る帰る詐欺」の被害者に仕立ててしまった。餞別は有り難く頂いて(笑)

そうはいっても皆さん「あそうなの!それも面白そうね」「また会えるんだね。良かった~、逆に嬉しい♪」と逆に喜んでいてくれてなんだかホッとした。詐欺であれ褒められてる?と変に思い込んでしまってはダメだ危険な綱渡りなんだこれは。と自分を戒める。

人生は思いがけないことの連続なんだ。コントロールできることなんて本当は少なくて偶然と偶然が繋がり合って、振り返れば必然だったと思えることばかりだ。いつも偶然性へと心の扉を開いておくことでまた面白い偶然を引き寄せる。

思いがけないことは続くもので日誌を読んでくださっているかたが声をかけてくれた。「収穫祭の時に見かけて声をかけようと思っていたんですが…」と言って、自分よりも若い人だった。ついにサルサ以外でのファンができたか!と少し嬉しくなった。書き続けることで色んな変化が訪れる。

自分も普通の人ですよ~とは話したけれど、なんだか緊張した様子だった。自分はほんとに皆と同じただの人だと思っている。ので、また気軽にお話ができたらいいなと思った。

福津農園での研修を綴った百性日誌は明日の研修で終わりを迎える。加賀恭一郎シリーズならぬ、赤石嘉寿貴シリーズ「きこり編」がスタートする模様。次は「きこり日誌」か?と思いながらまた日々を綴っていきたい。

美味しいもの巡りの旅 最終回

朝市を終えて向かうは先日行けなかった上吉田の「かどや」。

鹿肉が入ったのでどうぞ~と試食を頂いた。どこかで捕まってしまったんだろうなと思いながら、その柔らかい食感と癖のない味を味わった。

なんだか唐揚げが食べたくなって自分は唐揚げ定食を妻はソースカツ丼を注文した。案の定特盛がベーシックなこのお店、ご飯を半分にしてもらっておいてよかった。それでもお腹がパッツンパッツンになる。大食いの人にはもってこいのお店だと思う。

満腹中枢を刺激しまくり、戻ってきたら愛車にリアラダーを取り付ける。帰ったらまた色を塗ろうと思っているけれど箱に入れて車に積んでいくのはとっても邪魔なので取り付けねばと組み立てて取り付けた。そもそも、一時帰省になってしまったので持って帰る荷物も少なくてすむからなんだか取り付け損な感じがする。まぁしょうがない決めてしまったのは偶然のせいだ。

お茶の時間に今日後藤製茶の奥さんに頂いた甘夏みかんの寒天、甘夏みかんの皮が器になっているスペシャル仕様。みんなで美味しくいただいた。

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Kazuki

サルサLOVER→農業研修生→木こり見習い
赤石家のカズ
2022年3月から農業の研修を開始!
2023年4月木こり見習いになる。
福津農園での農業研修を終え次なる目的地へと旅立つ
実践の記録と日々感じたことや何かを綴る日誌。

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