3月24日(木)深呼吸したくなるような快晴
朝食を食べている時、TVで銘店のいちごジャムの作り方が放送されていた。その中で、いちごを煮ていく時アクが出てきたら丁寧に取り除きましょうという解説をしていた。
アクが強いという言葉を聞くが、アクというのは野菜が持つ窒素の量によって多い少ないが変わるらしい。窒素が多すぎるとアクが沢山出てくるらしく、ここの野菜はアクがほとんど出てこない。それは化学肥料を使わないことによって窒素を過剰に供給することがないためらしい。
料理によってはアクは旨味でもあるから残したほうがいいという場合もある。ただ旨味(アク)も強すぎると食べづらくなく。
あの有機農家さんのいちごを使ったら、どんな味になるんだろうね?なんて話をしながら農業のやり方によって作物にどんな違いが出てくるのかの一面を知った。
朝の作業は鶏のお世話から。飲水を替えて、イタリアンライグラスを刈り取ってそれぞれの小屋に運んでいく。鶏は黄色のコンテナを見ただけで食べ物だ!ということがわかるらしく、近づいていくと少し興奮気味に集まってくる。
すぎちゃん 今朝は眠たそうだ。
鶏のお世話が終わり、今日はしいたけの菌打ちをする。しいたけというのは「椎木-しいのき-」に生えるから「椎茸」って名前なんだよと言われて、なるほど~と思った。えのきたけも「榎-えのき-」に生えるから「えのき茸」。ものの名前には意味があって付いてることが多い、何となく見て聞いて知っているというものも、本当に良くは理解してないんだなと思った。
ということで、ドリルを使って木に穴をあけていく。しいたけ菌がついた木の駒の大きさにあったドリルの歯、椎茸ビットなるものがあるということにも驚いた。
菌がカバーできる範囲を考えながら、大体20cm間隔くらいで木の側面に何箇所か穴を空けていく。
そうしたら、駒を穴にさして金槌とかそのへんにある木で打ってしっかりと奥まで差し込む。
木の切断面に近い場所は、雑菌にさらされるということでちょっと多めに穴をあけて菌を打つ。全部で十数本のホダ木ができあがった。午後はこれを森の中に運ぶ。
椎茸は、森の奥の日の当たらないジメジメした場所ではなく、風通しの良い乾燥した場所を好むらしく林道がみえるようなそん場所に設置する。
まずは、ホダ木を置く周辺の草を刈っていく。
近場にある木を切り倒して、ホダ木をより掛けるための木とそれを支えるための支柱を作っていく。自分は木の細くなっている方と太くなっている方どちらを削っていくかを考えた時、細いほうが木を削りやすいし、土に深く刺さるかなと思って作業しようとした。
そんな時政満さんはこう考えたほうがいいんじゃないかと話してくれた。
「現在の作業のしやすさだけを考えるのではなくて、将来的にこの杭が長く使えるためにはどういう風に考えて作ったら良いのか?木の太くなっている方を使ったら、朽ちていく速度は細い方に比べて一年か二年か長くなるかもしれない、そしたら、作業をする自分たちも楽だし、また杭を作り直すという手間も掛からないし、無駄にエネルギーを消費する必要もなくなる」
杭を作るという作業一つとっても、そこに考え方が現れる。今に集中することも大事だけれでも長期的な視点にたって物事を考えることの大切さを感じた。現在やっていることの延長線上にある未来にはどんなことが起きるのかを考える。予測は不可能だけれども今何を大切にしていこうと思っているかで、未来に起こることを今やっていることで選択していくことになる。
何をやるかよりも、自分は今何を大切にするかを選ぶことの方が大事な気がする。
作業にもどると、杭を作る上で大事なことがもう一つ木の皮を剥いでおくことだ。樹皮と形成層と呼ばれる木の少しかたい部分との隙間に虫が入り込むことを防ぐことでさらに杭を長持ちさせることができる。一緒に、ホダ木を寄りかけておくための木の皮も剥いでおく。
それが終わったら、軽トラックからホダ木を下ろしてちょっとした斜面を登って立て掛けていく。
無事に終了。
日も暮れてきたがまだ少し時間があったので、鶏のひなを迎えるための床暖を鶏舎のなかに作っていく。作り方は先日作った踏み込み温床とほぼ同じだ。
まずは木のチップを敷き詰めたところに、腐ったみかん、米ぬか、鶏糞を入れて混ぜ合わせる。
これを三回ほど繰り返す。こんもりと盛り上げる。
50℃~60℃のお湯をその上からかけて、踏んでいく。
最後は米袋3つ分の落ち葉を上にかけておく。これで天然の床暖の完成。月曜日までかけて、60℃くらいの温度に上がっていく。
本日最後の作業は、明日の朝市の準備。ヤブカンゾウ、クレソン、ハッサク、甘夏、伊予柑、安政柑を準備。
今日の晩ごはんは黒米を頂いた。今日はホダ木を運んだりで体が疲れていたのか晩御飯の前から眠くなっていて、明日も早いので早めの就寝としよう。