2月14日(水)晴れ
朝を目を覚まして布団から出ると何だか肌寒い、と思いながら外のトイレに行くと外の壁にかかっている温度計は1℃。自分達が寝ている築300年の母屋は断熱などはもちろん入っておらず、外の温度とほぼ直結するくらいの温度になる。こりゃ寒いはずだ。と思いながら家に戻り居間で日誌を書いていたらすぐに朝ごはんの時間になった。
今日は以前しらとり農場であったことがある方が農園見学に訪れるということ近くの野田城駅まで迎えに行くことになっていた。少し早めに朝ごはんを頂いて8:44着の電車を待つつもりが電車と同時刻に駅についた。
彼女を乗せて近況を聞いたりしながら農園に戻った。収穫作業とかも忙しく、配達係をさせてもらっていたので、ほとんど一緒に作業をしていなかったように思う。
戻ってきて農園の中を案内する。この一年で見たこと聞いたこと知ったことをお伝えして最後は政満が餌作りをしているところへ。
鶏の餌を作っている場所の目の前には柿の木があって、その場所にある柿やその根本に生えている草をみながらゆうに30分以上は話していたと思う。
冷えて来ていた体に「農の芸術」という言葉は心にしみた。
農園の風景を目で見て視覚で楽しむ。
そこにある様々な植物、動物の匂いを嗅いで嗅覚を刺激する。
鳥や木や風のささやきに耳を傾け聴覚に振動を届ける。
木登り、虫との戯れ、水に触れ、土にまみれて身体に触覚に訴えかける。
美味しい果物、野菜、鶏、卵、そこで採れるものを食べて味覚で味わう。
絵画などは視覚で味わうものが多い、しかし農の芸術とは五感で味わう芸術なんだとものすごい言葉を聞いたような気がした。自分の関わるものすべてにも言えることだなと思った。それぞれの感覚を味わうことのできない、もしくは何か気持ちよくなかったりするものっていうのは自分の感覚からずれている。自分の五感が気持ちいいと感じることを念頭におきながら農園のデザインをしていくものだようという「百性はデザイナー」という意味が腑に落ちた。
そろそろ作業へということで残り30分しかなかったけれど山田の草刈りへ向かった。
少しだけ作業をしてお昼休憩をするために戻ってきた。
休憩後は山田の家の修繕を手伝いに行った。少しずつ修繕の形が見えてきた。それでも自分がここにいる間には終わることはないだろうなとその完成を見届けられない寂しさが少しだけ込み上げてくる。

夕方まで作業して戻ったら、妻と一緒に見学の彼女を野田城駅へ送り届けて夜道を走って農園に帰った。駐車場に車を置いて外に出ると寒くなってきた外の空気を感じてか、今日はストーブ必要だねと話しながら足早に家へと続く道を戻った。